訪問リハビリテーション まごころ
POSTED.2025.02.07
寒さと痛みのメカニズム
こんにちは。
滋賀県甲賀市にあります“まごころリハビリテーション部”です。
今年の甲賀市は雪が少ないですが、寒さがきついですね…
寒い季節になると、体のあちこちが痛むという経験はありませんか?
実は、寒さと痛みには深い関係があるのです。
今回は、理学療法士の立場から寒さと痛みの関係性について詳しく解説し、対処法もご紹介します。
◯寒さが体に与える影響
寒さは私たちの体に様々な影響を与えます。
まず、体は熱を逃がさないように末梢血管を収縮させます。
これにより、手足などの末端部分の血流が悪くなり、酸素や栄養の供給が減少します。
また、筋肉や関節の柔軟性も低下し、動きが鈍くなります。
さらに、寒さは神経系にも影響を与えます。
末梢神経の感受性が高まり、普段なら気にならない小さな刺激でも痛みとして感じやすくなるのです。
◯分子レベルでの反応
最新の研究では、TRPA1というタンパク質が寒さと痛みの関係に重要な役割を果たしていることがわかっています。
このタンパク質は低温環境下で活性酸素に敏感になり、冷たい刺激を痛みとして認識させる可能性があるのです。
◯寒さによる痛みへの対処法
では、寒さで痛みが悪化している場合、どのように対処すればよいでしょうか?
以下にいくつかの効果的な方法をご紹介します。
1. 温熱療法:温湿布やカイロ、入浴などで体を温めることで、血流を改善し痛みを和らげることができます。
2. 適度な運動:軽いストレッチやウォーキングで筋肉を動かし、柔軟性を保つことが大切です。
3. 保温対策:厚手の靴下や膝用のサポーター、腹巻きなどを着用し、体を冷やさないようにしましょう。
4. 食事の工夫:体を温める食材を積極的に摂取し、温かい飲み物を心がけましょう。
◯リハビリテーションによる対策
寒さによる痛みの増悪に対して、リハビリテーションは非常に効果的です。
以下に、私たちが利用者さんに推奨している方法をいくつかご紹介します。
1.ウォームアップの重要性: リハビリや運動を始める前に、十分なウォームアップを行いましょう。軽いストレッチや歩行から始め、徐々に強度を上げていくことで、筋肉や関節を適切に準備できます。
2.関節可動域エクササイズ: 寒さで固くなった関節の柔軟性を高めるため、関節可動域エクササイズを行います。関節の構造に従い、ゆっくりと丁寧に動かしていきます。
3.筋力トレーニング: 適度な筋力トレーニングは、関節を支える筋肉を強化し、痛みの軽減に役立ちます。自重を使った簡単な運動から始め、徐々に負荷を増やしていきましょう。
4.バランス練習: 寒さで体が硬くなると、バランス能力も低下します。片足立ちやヨガのポーズなど、バランス練習を取り入れることで、転倒予防にもつながります。
5.有酸素運動: ウォーキングや水中歩行など、低強度の有酸素運動は血流を改善し、体を温めるのに効果的です。室内でできるエアロバイクなども良い選択肢です。
寒さと痛みの関係を理解し、適切な対策を取ることで、冬の季節も快適に過ごすことができます。
しかし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、必ず医師の診察を受けるようにしてください。
皆さんも、この冬は体調管理に気をつけて、健康に過ごしましょう!