まごころ居宅介護支援事業所
POSTED.2024.04.20
「春死なん」
みな様こんにちは、まごころケアマネジャーです。
4月です。今年の桜はいかがだったでしょうか。私は個人的に最近にはなかったほど感慨深く見惚れていました。というのも、担当していたご利用者様で身寄りのない方が亡くなられたため、その対応に忙殺され、やっと一息つくことができたのが甲賀市の桜の開花時期だったからです。
前々回にケアマネジャーの仕事についてお話ししましたが、これだけは必ずやらなくてはならないことは法律で決められているものの、ではどこまでのことを業務としてあるいは業務外のこととして対応するのか、しないのか。これは一概に線引きできず、個々のケアマネジャーや事業所毎の判断に委ねられることになります。
入院先病院から死亡確認に立ち会ってほしいとの連絡から始まり、ご遺体搬送の段取り・先導、檀那寺への連絡、葬儀社との打合せ、市役所での手続。通夜・告別式への参列、火葬場への同行、遺骨の引取り、没後法要の日程調整等。
家族であれば、当然身内のこととして対応しますが、紙切れ一枚で契約しただけの担当者としてすべきことなのか否かという判断は脇にのけ、他にお願いできない以上かたちだけは何とかケアマネジャーの立場で整えることができました。
さて一通りの必要な手続きが済み、何かとご心配いただいていた地域の方々や同僚だった方、同年の方々と少しだけお話しする機会を持つことができました。生前にどれだけ地域に貢献してもらっていたか、どれだけ熱心に旦那寺の行事の役を果たしてくれていたか、ご親族に対する尊敬の念やご自身が親族として果たされた役割等、単に担当ケアマネジャーとしてご自宅を訪問しているだけでは見えない人となりが、亡くなられた後になってようやく見えてきたような気がしています。
結果として赤の他人である私が葬儀や公の手続を終えることはできました。そして担当者として知らなかったその方の一面も新たに理解できるようになりました。ケアマネジャーとしては充分なお見送りができたと感じていますが、これらのことは全て、地域のつながりが失われていなかったおかげだと思います。いつかのブログで斎場での家族葬が増えているというお話をしましたが、今回ご自宅で会葬を拒まず葬儀を執り行うことに決めたのは本当に良かったと思います。やはりお見送りに立ち会いたいと考える方がおられ、実際にお越しいただける機会があったことで、見えにくくなっている地域のつながりをはっきりと確認することができたからです。
実情は地域によって大きく異なり、つながり自体が元々ないようなコミュニティもあるとは思います。新たに創りだす必要がある一方で、残っているものを維持することも大切だと感じ、今回の葬儀がその一助となればと願いつつ、普段のお仕事に戻ることにします。
私もいつか見送っていただけるのであれば、冬の厳しい寒さに耐え凝り固まっていた気持ちや身体がようやく解きほぐされる、この桜の散る時期が嬉しいですね。
ところでみな様、十回にわたり拙い文章を掲載してきましたが、誠に勝手ながら諸般の事情により一時休載することにしました。今までのご愛読、本当にありがとうございました。またお出会いする時までお元気でお過ごしくださいませ。